ヴィオラさんの設定。
昔エルフの隠れ里だった、今では開拓の最前線である土地の生まれ。冒険者もよく見かけたことでしょう。
ヴィオラの両親は開発の波に乗って商売を始め、一財産こさえた成金です。そんな土地柄や環境の積み重ねで、娘には能力を身につけさせようという発想になった模様。
ヴィオラ4歳、ユユファ4歳、ハクロ6歳。
初めはユユファとだけおままごとをしていたのですが、そこに2つ上のハクロが混じってきました。
彼は彼で鈍足で不器用なため同い年の子供達からハブられていたり、2人の兄と距離があったり、と事情があるようですが、おままごとに加わったことで更に悪ガキどもに囃されたり、なんてことも。
もちろんヴィオラもナイトメアということで、からかいやいたずらの対象になっていたわけですが、そんなことは気にしない2人といつも一緒にいました。
7歳になったヴィオラに親が、ウィザードの家庭教師を付け町の道場に通わせ始めます。
ヴィオラ「ごめん、今日は遊べないの」
ユユファ「?」
ヴィオラ「修行しなきゃ」
ユユファ「わかった。一緒にやる(ぐ)」
……『修行』の道はこのあたりから始まっていたようです。
師匠は2人の資質を見定め、ファイター技能とグラップラー技能をそれぞれ伝授されるに至りました。
一方、それに触発された少年は、一度投げ捨てかけた家業(コンジャラー)を身につけ直すべく、長兄に貼り付く日々が始まりました……。
そんな調子で約十年。
いろんなことがあるうちに、いつの間にかヴィオラはツッコミ能力を開花させたり磨いたりしていたわけですが。(笑)
2人が成人した15の年。町にモンスターが侵入します。開拓前線のこの町には珍しくないことだったかもしれませんが、モンスターが襲いかかったのは、ハクロでした。
あわやという時、身を挺してユユファがハクロを助けます。
果敢に立ち向かうも、倒れるユユファ。
町の大人がモンスターを撃退して事なきを得ましたが、ユユファはそのまま昏睡状態に。
ハクロはそれを献身的に看病します。その間、彼の中でどういうふうに決心がされていたのかは余人の知るところではありませんが……。
数日後、目を覚ますユユファ。ヴィオラは喜びます。しかし彼女の「心配掛けて……!」その他もろもろの言葉は結局口から出されませんでした。ある声が病室の雰囲気を塗り替えてしまったからです。
その第一声はハクロから。
「ユユファちゃん…僕と結婚してください」
周囲:「えええええええΣ( ̄□ ̄)」
「うん、いいよ」
周囲:「ぇぇぇぇぇぇぇぇΣ( ̄□ ̄;)」
とりあえず、ちょうど来合わせていたハクロの長兄が押しとどめます。
「ハクロ、お前……何を言ってるのかわかってるのか? ……ん? ヴィオラちゃん、ヴィオラちゃんどうした?」
「………………」
真っ先にツッコミを入れるはずのヴィオラは、茫然とたたずんでいました……。
心の声「えっ……2人は、あたしと3人でいたかったわけじゃないのかな? やっぱりあたしがナイトメアだから(中略)」
ま、とんとんと話は進んで、花嫁修業が話題に上るころ。
「……ユユ、修行って言っても……」
ヴィオラは武装を調えたユユファに一応、ツッこみます。……が、どうせすぐハクロと結婚しちゃうんだし、話聞いたり世話焼いたりする役目からはおさらばなんだよなぁと、ツッコミは浅くすませることにします。
「うん。修行」
……ここで一歩引いたツケが、あとからどんどん来るんだよということをその時のヴィオラは知らない……。
なぜか戦闘を想定したゴツい道具を持って町を『修行のために』出ていくユユファ。
ヴィオラ的には、外でユユファと蛮族を討伐する未来を考えたこともなかったわけではない……が、今度の門出の目的は『花嫁修業』じゃないか。これではついていけない。
同じく、「花嫁修業についてくわけにはいかないよねぇ……ああ、今頃何してるんだろう……また大型の魔物に怪我させられたりしてるんじゃないかなぁ……」
と、何かに禁断症状を起こしてるようなハクロ。でストレスは2倍。辟易。……こいつ、もう少しまともなやつじゃなかったっけ?
印象はともかく、それなら見つけてくるから! としか言えないヴィオラ。道場や親には武者修行、と言い置いてエルフの世界を出……ナイトメアへの差別に晒されるのでした。
町に来ていた奴でも、冒険者からは変なこと言われなかったけどなぁ……「それだ!」
と、半分ヤケになって選んだ職業なのに、「どうしてユユファがいるのー!?」
「修行」
花嫁修業って、そういう意味じゃないだろー?! ……とは、つっこめない微妙な心境。
おかげで大事な『とあること』が、この時は誰の目にも晒されなかったのでした。
ユユファに帰れ帰れと促そうにも、それには自分も帰らなくてはならないわけで。武者修行、と言った手前、手ぶらでほこほこ戻れるものでもございません。
とりあえず、実家に宛てた手紙にハクロへのものも同梱して、『ユユファ、冒険者になってた。そのうち一旦帰る』と伝えます。
そのうち色々と自分の立場を考えさせられる事態にぶつかって、一度一緒に仕事をした仲間に付いてきてもらって自分だけ帰省をします。
すると、待っていたのは、送った手紙にいてもたってもいられなくなったハクロの出奔の話でした……。
「や、あたしも先に町出ちゃったから言えないんですけど……言えないんですけどあのバカ、……あたしがいればいたで毎日心配だのなんだのって言いに来やがってて……探しに出たら出たで辛抱しきれずに自分で出掛けただとぉ?! 言っていいか、言っていいか……どっちかにしろぉぉぉぉ!!」
そんなハクロの消息を、お兄さんから聞いた時の話。
「ヴィオラちゃん……信じてくれないと思うけど、あいつな……」
「……もう出ていった以上の信じられない出来事はないです……なんですか?」
「……あいつな、リルズ様の声を聞きやがったんだ……!」
「…………っ!
ごめんなさいあたしが間違ってました」
「……いやこっちも、不肖の弟が……ほんとすまん」
でも、両親には冒険者を続けることを許可されたらしいですよ。
ハクロが待っていられなかった=自分はユユファを探しに行く必要はなかったのではないか、そして、ハクロが目覚めた信仰は『リルズ』。一部の教義(愛とか絆とか)にはちょっと恥ずかしくても同意できますが、問題はリルズの唱える定数が男女カップルの二人だということ。……あれ、あたし……要らない?
そんな感じでへこんでいるうちに、クラリッサが仕事中にポジティブな提案をしてくれたり(wingateさんありがとう)、重大な問題にぶつかったときに、心が揺れるような情報を無視してさっさとけりを付けたがることを自覚して、自分への自信は減る一方ですが、何か足りないものがあることに気づきます。そして、今の自分じゃ幼馴染みに怒られるかもしれない、という結論に。
ヴィオラはユユファ達を探し始めるのですが、その間にハクロがユユファと再会。
ユユファがハクロにもらった指輪とともに、婚約の記憶をなくしていることが判明しました。
そしてそれはユユファ自身からヴィオラにも伝えられます。
今の目標は、ユユファの記憶喪失の原因を探ること。
さしあたってハクロと話すこと。
しかし、記憶喪失を気にしているのはヴィオラだけなんじゃないか、という気がして来ました(笑)