※二文字インデントの文はト書きでなくてメモのよーなもんです ■幻想世界  温まった布団から這い出して、習慣のままにリージャは目覚まし時計を止めた。  雨戸の隙間から、わずかな光が強く差し込んでいる。──朝だ。  やたらと雀の声が大きく聞こえる。すぐそこに集まっているのだろう。 「なんか、壮大な夢見たな」  顔の皮膚をもみほぐしながら、リージャは呟く。  何か話のネタにできそうな夢だった。  しかし、しっかりと思い出そうとするとそれは、たちまち記憶の彼方に霧散してしまう。 「もったいない、かな」  リージャはベッドを這い出すと、雨戸を開けに立った。    制服に着替えて洗面所へ向かうと、シャンティと鉢合わせした。 「お兄ちゃん。寝癖すごーい」 「嘘、どこ」 「右側の後ろのとこー」  慌てて鏡を覗く。確かにすごい。出かけるまでに直せるだろうか。  手早く台所で蒸しタオルを作って、当てることにする。 「お兄ちゃん、ゴミお願いね」 「うん」  父と自分と妹、三人分の弁当を作りながら母が言う。今日は確か──燃えるゴミの日だ。   「いってきます」 「いってきまーす」  鞄を小脇に挟み、一家の四日分のゴミ、二袋分を両手に提げて、リージャは家を出る。集積場までは少し歩く。  一緒に玄関を出た妹が、ひじをつつく。 「お兄ちゃんそれ、クラスの人に見つかったらまた笑われるんじゃない?」 「……え、まだ寝癖残ってる?」 「じゃなくって、ゴミ袋」 「……いいだろ、別に」  二つあるんだから片方持ってくれてもいいだろ、と思ったら、そういうことか。 「あ、ほら」  シャンティがさす方を見ると、まさに自分と同じ制服が歩いていた。  しかも、あれはよく知っている顔。クラスメイトのオーグルだ。 「おはようございまーっす」  リージャが何か返す前に、シャンティが勢いよく挨拶をする。いつの間にそんなに気安くなったんだ。 「ああ、おはよう。……って、リージャ」  失礼なことに、オーグルはこちらの姿を確認した途端、シャンティと同じようなにやにや顔を作った。 「なんだよ。家では僕の仕事なんだよ」 「いや、悪いとは言ってないが…… なあ?」    シャンティはクラスメイトらしき男子と合流して、自分の学校へ向かった。  リージャとオーグルはそのまま、示し合わせたように連れだって歩く。   信号待ちでアレックと合流。 リージャ「おはようございます……ってなんですか、人の顔じっと見て」 オーグル「そうだそうだ、俺にはそんな趣味ないからな!」 アレック「……いや、今朝方の夢にお前らが出てきたもんでな。ってオーグル、(半眼になって)俺、に、そんな趣味、が、ある、とでも……?」 オーグル「じょじょじょ冗談だって!」 リージャ「夢、か。僕も今朝、なんかやたら凝った夢、見たんですよね」 アレック「ん、どんな?」 リージャ「それが、目がさめてから思い出そうとしたら、ぽっかり忘れてて」 オーグル「あー、あるよな。見たことだけ覚えてるんだ」 リージャ「そうそう」   信号が青に変わる。 ■幻想世界 校舎内、人気のない廊下   ルメリア、お弁当袋を抱えてきょろきょろ。壁にもたれているクルトを見つける ルメリア「クルト」嬉しそうに走り寄る クルト 「や、ルメリア」片手挙げながら壁から離れ、ルメリアに相対する ルメリア「おはよ……あ、これ」お弁当渡す クルト 「今日も作ってくれたんだ……ありがと」ハグする ルメリア「あ、うん。こないだ好きだって言ってたおかず、また入れたから」 クルト 「そっか、嬉しいな(ルメリアの髪を撫でる)。ルメリアは本当、いいお嫁さんになれそうだよね」 ルメリア「………」 クルト 「……ん?」ルメリアの顔を覗き込む ルメリア「……ええと…クルトのお家のお嫁さんは……(顔を隠すようにクルトの肩に顔をうずめる)」 クルト 「(苦笑して抱きしめる)」 ルメリア「……私、一人っ子で長女だし……」 クルト 「俺は次男でうちは兄貴が継ぐんだし、心配しなくても」 ルメリア「……進学して勉強も続けたいし、できれば院にも…」 クルト 「進路希望の紙見たよ、××大ならいいよね、ルメリアの成績なら心配ないし。あそこの教授はあの分野では定評のある人だから(頭ぽむぽむ)」 ルメリア「……うん」 クルト 「(しばらく宥めるように抱いている)今度の休みの予定は?」 ルメリア「まだ何も……どうしたの?」 クルト 「またうちに来ない? 親父とお袋が、ルメリアは今度はいつ来るのかってうるさくて」 ルメリア「あ……(赤面)うん」 クルト 「ん、じゃあ決まり(あたまぽむっ)。叔父貴もイタリアから戻ってきてるし、お土産のチョコレートもあるから」 ルメリア「うん」と、再び抱き合ったところで違和感→精神抵抗 ■研究室   ルメリア登場。   暗い部屋に目が慣れず、何度か瞬く。 ルメリア「…………っ、……さっきのはいったい……幻?」   部屋の片隅から声。 ????「……ほう。これは驚いた」   とっさに声に向けて構えるルメリア。 ルメリア「……お前は?」   スノーボールの弱い光に照らされた魔神の姿が映る。 ルメリア「魔神……、マリグドライ……? いえ、違う……」   眼を細めて。 ルメリア「……ずっと格上、といったところかしら」   戦闘になる状況ではないと判断し、構えを解く。 ????「ほほほ、賢明なことよ。さぞ長生きをするであろう」 ルメリア「…………それは光栄ですわ、と返すべき?」   魔神が腕を動かすと、部屋が昼間のように明るくなり、部屋の様子が見て取れる。   魔神は床の一方に描かれた魔法陣に囚われており、その中には調度品や丸卓が置かれ、本や細々としたものが並べられている。   また、魔神の姿が古代王国風の豪奢なローブをまとった女性へ。 ルメリア「(変身か幻覚、か……ということは、さっき姿が見えなかったのも。やはりマリグドライの上位魔神)」 魔神  「さて、久方ぶりの客人よ。ひとつ、妾の退屈しのぎに突き合ってくれる気はないかえ?」 ルメリア「ふうん……?」 魔神  「(笑う)いずれ、そなたの仲間らはあの世界に囚われたままなのであろう。焦ることはない」 ルメリア「世界……ああ、じゃああれは幻の世界だったのね」 魔神  「いかにも……。忌々しくも、妾が創造せねばならなかった、世界じゃ」 ■幻想世界・昇降口   アレックと残りの二人は学年が違うため、それぞれの靴箱に別れる。   リージャとオーグルが上履きに履き替えて廊下に上がると、ルシェが窓枠に背をもたせかけてたたずんでいる。   ルシェへフォーカス移動。 女子  「おはようルシェ、宿題やってきた?」 ルシェ 「ん、まあ、な」 男子  「おー"旦那さん"。今日は奥さんはまだなんだ? 毎日熱いねえ(笑)」 ルシェ 「そうだよ、妬けるだろ?(にやっと笑う)」 後輩  「あ、ルシェさん。また部活のほう、顔出してくださいよ」 ルシェ 「んー、引退した奴がそうそう出入りするもんじゃないだろうよ。(手を振って)      それに俺、ほら、受験もあるし?」 後輩  「そう言っても……、先輩たちがいなくなって、一年連中もたるんでるし」 ルシェ 「おいおい、そう言う時こそ、先輩に頼ってちゃ駄目、だろ。お前らの力の見せ所、ってやつ?」 後輩  「(そうですか、……などと)」   リージャが接近。 ルシェ 「おう、おはよう」 リージャ「あ、おはようございます。──シーシェさん、待ってるんですか」 ルシェ 「(肯定、二言三言)」  いつもの光景だよな、と思う。友達が声を掛けてきて、ほどよく先輩として頼られて、シーシェルが来たらいつものように二人で教室へ向かうのだ。  そしていつものようにかったるい授業を受けて、昼になったらシーシェルと二人で購買に行って、シーシェルが山のようにパンを買い込むのを手伝って、午後の授業は少し昼寝もする。いつものように。  いつものように、学校帰りにはちょっとゲーセンに寄っていくかもしれない。ノリと懐具合次第では。 ──どうして、こんなに懸命に、いつもの日常を思い起こさなければならないんだ?  自分の感覚への、強い働きかけを感じる。──自分はこんなに必死に、安逸にしがみつくたちだったか。  起こること全てが予測できる、そんな世界に住んでいたのだったか?  これからシーシェルがやって来たら、どうなると? ……要らない。 「そんな──シーシェは」  ふと振り返ったリージャの視線の先で、ルシェは小さく、力強くその名を唱えた。 ■研究室 ルメリア「(慎重に)創造せねばならなかった……つまり契約ね」 魔神  「左様……ほほ。そなた、蛮族と見受けるが。蛮族にも斯様に愉快な会話がこなせる者がおるとは思わなんだのう……、ビパルティタの言うておったことも理解できるというものじゃ」 ルメリア「ビパルティタ……、この研究室の主のことね?」 魔神  「ほう、そなた、どこでその名を? ……ふむ、先の蛮族どもが持ち出していった書でも目にしたか……あれを読めるか。なかなか……」   魔神、卓の上に手を伸ばし、装飾された古風なティーポットを取る。   いつの間にか手にしていたティーカップに液体をそそいですする。 魔神  「この数百年というもの、わらわが目にできるものと言えば、ただただ、単調に過ぎぬこの部屋の風景のみ……」 ルメリア「……単調(サイベルを呼び寄せて抱き上げる)」 魔神  「永劫の孤独、そして退屈。これほどの拷問は、我が故郷においてもそうはあるまいよ。しかし、その哀れな妾にもそなたらが、ささやかな刺激を与えてくれるのじゃな(笑う)」 ルメリア「(そう、皆は?) 私だけが出てこれたのは何故……?」 魔神  「さても、さても。(笑う)妾の幻影から逃れ得た術。それをこそもって、妾がそなたに問うものじゃ」 ルメリア「……貴方は、あの中がどんな世界か知っているの?」 魔神  「(つまらなさそうに)夢の世界、であろう。それが妾とビパルティタの契約であったゆえ、な」 ルメリア「夢の世界……確かにそうかもしれないわね。とても平和で……そう、平和な日常だったわ」 ルメリア「見たことのない世界だったわ。でも、平穏で楽しい場所だった、皆で……そう、小さな世界の中で幸せに……」 ルメリア「かわいい箱庭みたいな場所だったわ、私の好きな人たちもちゃんといて、楽しそうにしていた、でも……あれは違う」 魔神  「違う、とな(面白そうに)」 ルメリア「あれは私の知っている彼じゃない」 魔神  「人の見るからこそ、夢と言うのじゃ。彼とやらが、そなたの覚えと違うても、……幸せであったと感じたのであろう。いかほどの問題がある?」 ルメリア「(遮る)あれは私の好きな彼じゃない、私を選んでくれた彼じゃない。………私がっ」 ルメリア「その愛に見合うだけの存在になりたいと、そう思える彼じゃないわ!」 魔神  「……ほほ、ほほほ……これは、これは……かわゆらしいことよの」 ルメリア「このっ…、××××……っ!」 ルシェ 「…昼間っから大胆ね、るめにゃん」   ルシェ登場。 ■幻想世界・廊下   リージャがルシェを振り返ったところ。アレックは離れた場所で立ち話中。 リージャ「え……ちょっ……!!」 オーグル「どうしたリージャ、忘れ物か?」 リージャ「違うっ! 今、見てなかったのか?! ルシェ先輩が……」 オーグル「ルシェ? 一緒に見たじゃないか」 リージャ「そうだよっ、いや、そうじゃない! 先輩が消えたんだ!」 オーグル「……はあ? 落ちつけよリージャ」 リージャ「あそこにいただろ?! (指さす)消えたんだよ!」 オーグル「確かに、いないな。……トイレにでも行ったんだろ?」 リージャ「だ、……あのな! だから、僕の見てる前ですっと消えて行ったんだ! あそこに立ったままっ」 オーグル「こっちこそ、だから、だ。落ちつけよ、まだ寝ぼけてるんじゃないか? もし本当に人がすーっと消えたんなら、あいつらが大騒ぎしないわけがないじゃないか」   ルシェを取り囲んでいた下級生の他にも、昇降口にいる生徒はたくさんいる。 リージャ「…………」 オーグル「だろ?」 アレック「どうした?」   アレックが話を終えて近寄ってくる。 オーグル「ああ、こいつ、恥ずかしいんだ。うっかり立ったまま見た夢を口走った相手が俺だったからいいようなものの、なあ……」 リージャ「……もういいよ」   要領を得ないアレック。 アレック「ん……まあ、  (エルフの一団が通りかかる。中心部にセルウィン、グリフィス、モルガナ、3人は残る)  ※以下の節については、伏線と学園ものワードを撒いたらあんまり『都合よく』ならなかったので修正あるかも  ※んー、カラオケの話をあらかじめ出しておけば『予測の範疇内のことしか』byルシェ、ってことにはなるかなー モルガナ「あっ、リージャ、オーグル。今ねみんなで、中間終わったらカラオケとか、って言ってたのー。行こ行こ!」 リージャ「え、金曜? 放課後?」 モルガナ「そーそー」 オーグル「行く行く!」 リージャ「待てお前、またバッティングして怒られても知らないぞ」 オーグル「 モルガナ「もー、これだから彼女持ちはー。っていうか聞いてよ、セルウィンとグリフィスも2人揃って欠席とかぬかしやがんのよ、もー」   何となく笑う面々。 オーグル「まあ、仕方ないさ。今が一番いい時期、ってことだろ。これが数週間、数ヶ月って経ってくるとだな、だんだんお互いの顔が……」 モルガナ「へー、オーグルはいつもそーなんだー?」 オーグル「え、いや一般論だよ! 一般論!」 リージャ「つきあい始めたカップルの前で言うことじゃないだろ」 オーグル「……そういやそうだな。悪い」 グリフィス「いいよ、気にしてない。いつものことだし」 セルウィン「(くすくす笑う)」   額に水晶を付けた教師が通りかかり、 教師  「おーら予鈴鳴ってんぞー。教室入れー」   散らされる生徒達。 モルガナ「じゃ、彼女からメール来たら教えて! すぐにだからね!」   グリフィスとセルウィン、アレックに軽くおじぎをして去る。 アレック「クラスメイトか。……賑やかだな」 オーグル「そうそう類は友を呼ぶ……って、どうしたんだリージャ?」 リージャ「いや、何か忘れてるみたいな……」   リージャ、教師を目で追って思案げ。 オーグル「今度こそ忘れ物か? まあ、予鈴も鳴るからもう手遅れなんじゃないか」 アレック「ああ、じゃあな」   2人がそれぞれ教室に向かおうとする後ろでリージャ、※インスピ発動 リージャ「……『全知なるラーダ、御手のお導きに感謝します』……!」   神聖語に驚き振り返る2人、次の瞬間、オーグルはリージャに鞄を放り出して教室に入ろうとするセルウィンに向かって駆け出す。 ■実験室 ルシェ 「まぁ、落ち着くと良い…俺のような良識人なら兎も角、オーグルみたいなのに聞かれたらどうなることやら…取り合えず、俺は今の言葉を心に深く刻んでおくけどさ」 魔神  「    」 ルシェ 「やぁ、初めましてお姉さん。ご機嫌いかが、と言うべきかな」 魔神  「すこぶるよい。おかげさまでのう。ゆるりとされるがよいよ。そうそう、聞きそびれるところであった……そなたは何を見、何を聞き、そして何を感じ、夢から逃れえたのかえ?」 ルシェ 「うむ、ほれ、簡単簡単。あの世界の面々は、俺が想像した通りのことしか言わなかったんよ」 ルメリア「……そうか、私たちの意識を映すことでしか登場人物を動かせない。だから……」 ルシェ 「予想の範疇内のせりふしか返ってこない、んで、シーシェがここに現れたらどうなんかなって考えた。俺はそんなのはごめんだった。気づいたらここにいた」 ルメリア「…………私も、そうだったわ」   魔神笑っている。ルメリア、横目で睨んでから、 ルメリア「どうやら、それが脱出の鍵、と考えてもいいみたいね……。あの世界の知り合いを否定することが必要、ということかしら(魔神をじーっと見る)」 魔神  「ほほ、久方ぶりの客人、と申したであろ。何も急いて辞せずともよいではないか」 ルシェ 「んだな」   ルシェ、ソファにどかっと座る。舞い上がる埃。 ルシェ 「掃除がなってないな、30点、後座ったらお茶ぐらいすぐに出せよ(´ー`)y−~~」 ■幻想世界・教室前 オーグル「ちょっと!!(セルウィンの腕をつかむ)」 セルウィン「!?」 グリフィス「おい?!」 オーグル「あー、悪い、ちょっと借りる!」 リージャ「(追いついてきた)オーグル、お前どうするつもり……」 オーグル「ああ、ちょっとどこかないか、話せるところ」 アレック「屋上とかどうだ。開いてるかわからんが」 オーグル「……だな」 ■幻想世界・屋上前の階段   屋上への扉の鍵が開いていなかったため、日の当たる踊り場で話すことに。ハエの死骸がいっぱいあったりすんだよな。 アレック「さて……、セルウィンさんで間違いないですね」 セルウィン「え……どうしたの、オーグル君、リージャ君まで……」 リージャ「(溜息)間違いない、みたいです。この人がセルウィンさんで」 セルウィン「どういうこと? 毎日一緒に授業受けてるじゃない」 オーグル「忌々しいが、どうやら俺の記憶でも、そういうことになってるようなんだよなあ」 アレック「状況だけでなく、記憶も改変されてる、ってことか……で、グリフィスさん達がこの世界にいたってことは、だ」 リージャ「ええ……僕らの知ってる人が周りに出てきたように、さっきの集団の核がセルウィンさん、ってことですよね」 オーグル「つまり、こいつは掛け値なしに本物の救出対象、ってことだな」 アレック「ああ」  (説明タイム) セルウィン「(順番に顔を見る)……オーグル、さん、と、リージャ、さん……あと、アレックさん」 オーグル「ああ」 リージャ「(うなずく)」 アレック「そうだ」 セルウィン「お話は、わかりました……  (セルウィンが一度出たくないとごねる。  「究極的にはあなたがこの世界に居座ろうと思っても構わない、でも俺は出たいから協力してくれ」「グリフィスさん心配してましたよ」) ■現実世界  (このあたりで、文献調査するルメリアを描写しておく?)  (描写するとしたら……  ・どうしてセルウィンは触った時に呑み込まれたのに、月光パーティーは部屋に入った瞬間だったのか  →魔神の答え  →「悪趣味」  ・愛するリナリアへ、という書き置きはここかな  ・学生役として世界に存在していたことを指す 魔神  「ほう……興味深い。そなたらはビパルティタに『仲間』として認識されておるのじゃな。蛮族を愛した女らしいこと」) ■幻想世界  (階段から下りつつ。   それぞれの知り合いでない人間を辿っていったらいいのでは、と結論する。   教師が古代王国人ということは、ということでとりあえず職員室をチェックしたり。) ■幻想世界 職員室前 アリア 「あれ、アレック先輩発見ー、どーしたんですか?」   絶句するアレック。 アリア 「入るんですよね? 職員室」 アレック「ああ……いや……」 リージャ「え、アリア……?」 アリア 「あ、リージャ先輩までいる、あっやしー(笑」 オーグル「(耳打ち)こいつは?」 リージャ「……あ、アレックさんの……いや」   逡巡。偽の記憶の方を探る。 リージャ「……アレックさんと僕の、塾の後輩だよ」 オーグル「……そうか」   オーグル、引っかかった様子だが何も言わない。   硬直したままのアレックを放っておいて、リージャに話しかけるアリア。 アリア 「あ、そーそー、模試結果出てましたよっ、今リーチだから、次トップテン入りで粗品ですよねー?」 リージャ「……あ、うん」 アリア 「何貰ったか教えて下さいね? 友達と皆で当てっこしてるんです(笑」 リージャ「……えっと、テレホンカードとからしいけど」 アリア 「えー。図書カードとかが普通じゃないですー? 公衆電話もないのに」 リージャ「……確かに」 オーグル「で、塾のロゴがしっかり入っていて、金券ショップにも持ち込めないって落ちだな。そうだろ?」   あるある、と笑うアリアと苦笑するリージャ。 アレック「……そーいや、そっちの成績はどうだったんだ?」 アリア 「もー、散々ですよー、パパにもお説教されたしー」 リージャ「…………?」 アレック「……そうか、お袋さんは?(口元にだけ苦い笑み)」 アリア 「ママはほら、あたしが調理師学校行きたいの知ってますし?」 アレック「そうか……そうだっけな(微笑が顔全体に)」   一瞬の間。 アレック「……済まん」 リージャ「アレックさん」   つい、といった風情で声を掛けるリージャに、アレックは振り向く。   その瞳の昏さにはっとするリージャ。 アレック「……一つ、判った。      ……この世界は、微温湯の様なモノ、だ」   アレック、消える。 ■現実世界 魔神「物事を真に見定めるには、"見渡すこと"のみでは足りぬ。我の解放を、人の身の、さらでも蛮族ごときに期待するのは浅はかであったやものう……ふむ」 魔神「仲間は、何人呑み込まれたのであったのかのう……?(にたりと笑います)」   ルメリアの後ろにアレック登場 ルメリア「見渡すのは全体……それに対するのは……アレック?」はっとして振り返る アレック「………」顔色は青白く、表情を忘れたかのように、その顔は動かず ルメリア「どうしたの……? 何を見たの? ………」 ルメリア「…誰に、会ったの…?」 魔神「(心から楽しむように、声なく笑っている)」 アレック「………ふっ」口元だけを、歪め アレック「ふっ、くっ、ははっ、はははっ、ははっ………あはははははははははははっ!」 アレック「ははっ! はっ、はっ、はぁっ、はぁ……っ」 ルシェ 「アレックが壊れた…悪い方向でもう壊れた…」 ルメリア「アレック……、」 アレック「最高の悪夢を……どうもありがとうよ……っ!」殺意を叩きつけるように、睨みつける>魔神 ルメリア「悪夢…」 ルシェ 「お前さん、何見たとか何あったとかは聞かないけどな…熱くなりすぎだよ、これで頭冷えないってんだったら冷えるまで殴り飛ばしても良いけどどうするよ、アレック・フォスター?」 アレック「(口元だけを歪めて)……ああ、それも悪くないな、後でなら頼もうか」 魔神「ほう、これは異な事を」 魔神「妾は世界を創った、しかし、世界の登場人物はさにあらず……」 ルメリア「(アレックがまだ取り乱しているので、さりげなく両者の間に入るような位置に立つ)」 魔神「そなたが世界の中で、何を見、何を耳にしたとしたとしても、それは妾に帰する所とは言えまい」 アレック「ああ、そうだろう、貴様は世界律を定めただけ、あれを生み出したのは、他ならない俺自身だ……!(擦れた様な、しわがれた様な声で、呪詛の様に)」 魔神「だが、妾からは例を言わせてもらうぞ、蛮族。……そなたの悪夢、楽しませてもらった」と、楽しくもなさそうに言う ルメリア「……生み出した…ああ………、……ちっ」 魔神「尤も、あれがそなたの申すところの悪夢、だと言うならな。甘美であり、同時に稚いものよ……」 アレック「……あんな」 ルメリア「(体は魔神に向けたまま、背中でアレックの気配を気にしている)」 アレック「あんな微温湯でしかない悪夢の産物が、甘美だと……?」 アレック「稚気は……認めよう、俺が、俺自身が、楽になりたい、ただそれが故に生まれたあいつだ」 魔神「左様、(芝居がかって手を振り)このような狭苦しいところで、500年の長きにわたって、埃の他に話相手も持たず……」 魔神「異界にとどめ置かれる妾の身にもなってみよ。人間よ、そなたらは『同情』というものを持つのであろう?」 魔神「……言いそびれていたが、妾はそなたらを歓迎しておるのじゃぞ。心の底からな……(くっくっ、と体を揺らして笑う)」 アレック「……やはり、そういう事か……」 アレック「貴様も、あの世界に縛られている、そういう事だな……!」 ルメリア「……ふん、悪趣味ね」 魔神「ほう……」 魔神「人間はこういった時、両手を挙げて言うものだったか。たいした眼力と言えような。契約で縛られたこの力の中で叶うなら、妾もひとたびは試してみたやもしれぬのう。話し相手の創造を……」 ルメリア「………今の現実とはかけ離れた、夢の世界……」 アレック「……そして、心の片隅で望んだかもしれない、醜悪な幻想の世界だ」>ルメリア ルメリア「……箱庭みたいなきれいな世界…ええ、本当は気味の悪い世界ね」 ルメリア「そしてそこに居るのは……(少し言葉を切って)私、クルトに会ったわ、あっちで」 アレック「俺は……(暫し言い淀み、絞り出すような声で)いもうと、だ」声を絞り出して、一文字一文字ゆっくり ルメリア「……確かに、ある意味私の望んだ彼、なのでしょうね」 ルシェ 「その相手が(偽物だと)否定した時に、戻ってくる、と」 アレック「……ああ、それに違いない筈だ」 ルメリア「そう考えてよさそうね」 ルメリア「(首のあたり、指輪が吊るしてあるあたりを押さえる)」 アレック「だが……」 アレック「……ある意味では、俺は、あの少女を否定し、殺した……そういう事になる、か」 ルメリア「私はそうは思わない」 ルメリア「私は、私のつまらない甘えを殺して、出てきたのよ」 アレック「……なるほど、な」 ルメリア「(つんっ、と少し芝居がかった感じにふんぞり返ってみる(笑)」 アレック「(僅かに眼光が落ち付き)……契約者は、どこに居る?」 ルメリア「……契約の解除の条件は、世界のからくりを解くこと? でも……」思考 魔神「はて……どこだったかのう。もう500年ほど目にしておらんゆえ、な」頬を掻くジェスチャー アレック「……あの世界を消し去る術は?」 ルメリア「(アレックが落ち着いたようなので、魔神に直接相対するのはルシェに任せて少し下がる)」 魔神「人間は寿命が短いと聞くが…… 少々、生き急ぎすぎではないかえ? 500年ぶりの賓客じゃ、もうすこし妾を楽しませる時間を取っても差し支えあるまいに……そもそも」 魔神「妾がそなたに答を授けるのは甚だ容易。だが、その答をもってどうする? そなたの連れ……2人、否、3人、か──は、まだ妾の管理する世界におるのだぞ」呆れたように アレック「……やはり、鍵は世界の中にある、か」 魔神「(満足そうにうなずいている)」 アレック「貴様が、意味もなく俺たちを気遣う訳もないだろう……にも拘らず、俺に示しても意味はないと言う。」 アレック「ならば、世界の中にこそ鍵がある、そしてお前もそれが解かれる事を望んでいる……そうとしか、考えようがない」 魔神「妾は確かに『同情』という言葉を使うたが……いささか……(笑)」 魔神「しかし、重ねて問うぞ。それを確かめてなんとする? そなたらは既に、甘き夢から解き放たれ、同時に締め出されておる。人間とは夢判断を好むものなれど、扉の鍵を探り当てようとも、再び訪うこと叶わぬからこそ、夢と呼ぶのではないかえ」 ルシェ 「何、アレックの話から察するに、さ。あっちに残されてる奴らも悪あがきを続けてるんだろう、諦めて夢の世界に安住するなんてことはないと俺は信じてる。      だったら、目を覚ましてる俺達もやれることをやるだけ、と、そういうことさ」 魔神  「ほう……」眼を細めて 魔神  「……なれば、妾もそなたらの頑張りとやらに、敬意を表してやらねばなるまいな」 ■幻想世界 セルウィン「消えました……ね」※初見 リージャ「……うん、ルシェさんと一緒……だった」 オーグル「いや、すこし違うな。」 オーグル「好きなこと言うだけ言って消えやがった。ルシェのときよりタチが悪いぜ、これ。」 →Doc01 ■現実世界   懐かしき金属音。 オーグル「おはよう、諸君。おはよう、デーモン。悪夢の演出、ありがとうよ」 ルメリア「あら、遅かったわね」 アレック「……お前は、何を見たんだ?」 オーグル「こう見えても低血圧なんでね。……俺が見たもの? そうだなあ……」 オーグル「友好的なレクと、わかりやすいネリアと、あと……」 オーグル「……いや、よそうか。こいつは面白がって触れ回るものじゃないな。まあ、とにかくいろんな意味で楽しい幻を見させてもらったよ。」 アレック「……何をした?」(魔神を向いて) ルメリア「リージャ先輩は一緒じゃないの? それから(エルフさん)は?」 オーグル「リージャは……まだ残ってる。あの世界の創造主に一言言ってやる役目を譲ってやったからな、もうしばらくは出てこないんじゃないか。」 アレック「……鍵の持ち主に、見当が付いたって事か」>オーグル オーグル「(エルフ)も一緒だ。まあ、あいつのことだし、心配ないんじゃないか?」 ルメリア「……なら待ってればいいのかしら」 オーグル「そうだな。俺たちから、幻の中に残ったやつらにしてやれることは、信じて待ってやることくらいしかなさそうだ。まあ、そこのデーモンがちょっかいだしたらそうとも限らないのかもしれんが」 オーグル「しかしまあ、お前さんの能力もなかなか大したものだが、それだけだな。確かに人の望みを救い上げて映し出してることには変わりないが……」 魔神  「何、それだけビパルティタが有能であった、ということよ」まんざらでもなさそうに笑います オーグル「だが結局、人間様の複雑に移ろう心の中ってやつは、像を結んだ時点で版遅れの代物になっちまうってわけさ。」 魔神  「我が能力を限定させ、その中で最大限に活用する……希有な導き手であったことは否定しまい」 魔神  「しかしその崇高な理想は、袋小路に入った時……強靱な精神に牙を剥く」 オーグル「崇高な、理想。そんな言葉を、デーモンのお前さんが言うとは驚きだ。」 魔神  「何、あくまでも主らの価値観に照らし合わせて、のこと…… この500年、埃だけを話し相手にしてきたのでな……」 魔神  「……だがこの数刻は、今までの500年とは代え難き鮮やかなひとときであったことよ。所詮、人は限られた時を咲き誇る花……魂の生きている間こそ、美しいと知るべきであったかな」<ちょっと上の発言に対して独白します ルメリア「理想……か。理想から作られた世界にしてはずいぶん歪んでるわね。いいえ、崇高というからには、理想が大きすぎたのかしら?」   魔法陣の片隅に積み上げられたビパルティタの蔵書がぱらぱらとめくり上がり、サイベルの耳がぴこんと反応 アレック「結局の所……自らの悪夢に取り込まれた、という訳か」 オーグル「ま、理想を持つことは否定しないがな。だが、結局のところ夢は夢だ。彼女……たち、に現実に向き合うガッツが無かったことが、最大の失敗なんだろう。」   ルシェ、ソファを倒す。 ルメリア「……」ふいっと文献の方へ 面子揃ってきたから自由に動けるようになってきた ルメリア「そもそも、あの箱庭がビパルティタの本当の望みだったのかしら? あれが理想なの……?」 アレック「……さて、そもそも完成品なのかどうかも疑わしい」>ルメリア   魔法陣に近づいてくるなら、文献の一つが浮き上がってぱらぱらとページがめくられ、間からつたない下位古代語で記された羊皮紙が。   一行目は「愛するリナリア」