午前11時

金地区

 なぜ会長が直々に掃き掃除をしているのかはわからないが、とりあえず声を掛けることにした。

ブルーエ・サフィール

「あら、おはようございます。
 そういう猫ちゃんは、見てませんわねぇ」

 これでは、出歯亀に来ただけのようである。
 君がそう言うと会長はくすくすと笑った。

「オリザちゃんとタクト君でしょう? まったく、二人とも飽きませんわよねぇ」

「あのう……どうしてオリザさんは断っていらっしゃるんでしょう……?」

「そうねぇ……、タクト君を見て、あなたがたはどう思われました? 印象なんかは」

「……えっと……、きちんとした方に見えましたけど……」

 アネットが首を傾げると、会長は更に笑って言う。

「だからなのよ、オリザちゃんってば」

「……?
 おうちのことを気にしてらっしゃるんでしょうか……」

「いいえ、あの子の性分のようなものね。
 バイクを直すときもトコちゃんに義足を作ってあげるときも、寝る間を惜しんでうちの資料を読みあさってたものよ。だけど……タクト君は……ね?
 愛情はあると思うんですけれど、ねぇ」

「はぁ……そうなのですか……」

 アネットはぴんと来ないようだ。
 君はこのあたりのことを会長に聞いてみることにした。

「金地区を探すなら、オリザちゃんが向かった方に広場があるわ。たくさん人がいるから、聞いてみるといいかもしれないわね。
 食べ物の屋台も出ているから、お昼ご飯も済ませられるわ」
 

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