午前11時
革地区
このあたりは、家が密集している区域のようだ。洗濯物が並ぶ一角から気合の入った掛け声が聞こえる……。
「どりゃあああああああ!」
赤いリルドラケンが、尻尾で木を殴っている。
レッド(ドラクレス)
「へっ、今日の修行も調子がいいぜ」
「修行……ですか?」
アネットがおそるおそる声を掛けると、彼はきっぱりと応える。
「おう、俺様の日課は1に修行2に修行、34がなくて5に飯だからな」
一軒の家の窓が開き、住人とおぼしきおばさんが顔を出した。
「修行はいいけど、もっと静かにしとくれよ」
「おー、悪ぃ悪ぃ、次から気ぃつけるわ」
彼が陽気に笑い飛ばすと同時に、異音がした。……盛大な腹の虫のようだ。
「うん、腹減ったな、そろそろ飯時だ……お前らも、食いッぱぐれないうちに飯食えよ!」
明るくその場を立ち去る彼だったが、言葉には何やら切実な響きが混じっていた……。
どうする?
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